「菜音ちゃん、菜音ちゃんっ!」
「なぁに、サイケ?」
「(…なんなんだよ全く……。)」
臨也は楽しそうに戯れている菜音とサイケを見てため息を吐いた
今日は臨也の彼女である菜音が臨也の家に遊びに来ていたのである
そうしたらたまたまパソコンから出ていたサイケが菜音を一目で気に入り、菜音もまた自分に甘えてくるサイケを気に入り、現在の状況になったのだ
当然菜音をサイケに取られた臨也は面白くはない
じとりと冷たい目で二人のの様子を見る臨也を横目にサイケは菜音へと抱き着いた
「菜音ちゃん、ぎゅー!」
「サイケ、ぎゅー!!」
菜音に甘えるサイケにも腹が立つが、サイケを甘やかせる菜音にも腹が立った
でも止めるのもなんだか癪にさわって嫌だったからただ見ていた。でもそれももう続かなかった。
「菜音ちゃんだーいすきっ!」
サイケは菜音に抱き着いたまま、そう言って菜音の頬に口付けのだ
「う、あ…、え?」
そしてそれに少し顔を赤くした菜音に臨也の我慢は限界に達し、二人の元へと歩み寄った
―憂鬱の原因