じゅーじゅー、とフライパンの上で焼かれていく卵を見つめる
黄色と白のコントラスト、いいね。ピンク追加しまーす
戻したわかめをお鍋にどぼんして、ちゃちゃっと味付け。
炊飯器もちょうどよくなったことだし、うん、もう出せる
「お兄さん、出来たからそこ座ってて下さい」
「…うん、ありがとう」
2人分の朝ごはんを用意して、椅子に座る。家ご飯で目の前に誰かいるなんて久しぶり
「…へぇ、美味しい」
「どもです」
もぐもぐと咀嚼、そして飲み込む
「あ、」
「…?」
「お兄さん、朝パン派でした?」
「ご飯でもパンでも大丈夫」
「そーですか」
またもぐもぐとご飯を咀嚼し、飲み込む
「…そういえば、お兄さん」
「なに?」
「お名前はアララギさんでしょうか」
「うん、全然違う」
「まじですか…!」
お箸がぽろり、と手から落ちた。このお兄さんアララギさんじゃなかった!ずっとアララギさんだと…
「俺の名前は折原臨也」
「オリハライザヤ…」
まずいぞ、イザヤの漢字変換わからない。…イザヤ、イザヤ…居ざ屋?
「…職業は居酒屋で?」
「俺、居酒屋で働いているように見える?」
「若いお姉さま方に人気そうですね」
「残念、違うよ」
…折原さん(名字はなんとか変換できた。)が居酒屋で笑顔振り撒いてたら毎日大繁盛になりそうだよね。その居酒屋。
「それで君は?」
「…?……あ、はい。菜音と申します」
「ふぅん…菜音ちゃん、ね」
折原さんはなぜか愉しそうに微笑んだあと、「ごちそうさま」って言って食器を自分で運んでくれました
…いい人だ