「菜音、迎えに来たよ」
「?ありがとう」
家のドアを開けると折原くんがいました。
昨日までとは違う変わった日。折原くんの隣に並んで学校へと向かう。視線が容赦なく突き刺さった
友達が教えてくれたところによると折原くんはかなりモテるらしい。折原くんの信者がいるくらいに
なんでそんな美人選び放題な折原くんが私に「付き合って」などと言ったのかはわからないけれど、考えてもわからないので考えることはしなかった。
モテる人はモテる人なりに大変なんだろう。
私はあれだろうかあそびとやらなのかな、まぁとりあえず綺麗な横顔がいつでも見れるのだから私にとって損は無い。それで終わった
「菜音、手繋いでもいい?」
「どうぞ」
差し出された手に自分の手を重ねれば、折原くんが満足気に微笑んだ。その笑顔になんだかどきっとした
「菜音って手小さいんだね」
「折原くんが大きいんだよ」
不思議、不思議、不思議だ
ただ手を繋いだだけなのに、それなのにばくばくと走ったあとみたいに心臓が激しく動く
なんだか逃げたしたくなるような恥ずかしさにも見回れる、とにかくわけがわからない
「菜音、帰りにクレープでも食べに行こうか。甘いもの好きでしょ?」
「う、うん。行きたいです!クレープ食べたいです!!」
「じゃあ初めての放課後デートってことだね」
「そうだねー」
クレープ、何にしようかなー。
いつの間にかばくばくは無くなってクレープのことしか考えられなくなっていた。