「うわわわ!遅刻するー!」


口にメロンパンくわえて走り出す。
髪の毛だけを整えて、急いで出てきたものだから忘れ物とか忘れてる
つまりこれはそう、王道展開のあれですよ。

遅刻寸前なんとか遅刻を免れようと必死で学校に向けて走ってく、そして角を曲がろうとしたとき―…

どんっ、と誰かにぶつかった。

衝撃で口から落としたメロンパンはしっかり手でキャッチ。


「…いたた」

「大丈夫ですか?余所見をしていたもので…申し訳無いです」

「あ、ありがとうございます…」


すっと差し伸べられた手を躊躇いがちに掴んで立ち上がらせてもらう。

そしてこれをきっかけに二人は恋に落ちていく…

っと、これがまぁ王道すぎる青春恋愛の始まりである。


「…楽しいのこれ?」

「うん!楽しい!」


呆れ顔の臨也にとびきりの笑顔を向ける

このベタベタな感じが非常に好みなんです、はい


「あ、そう。じゃあさっさと学校行こう。本当に遅刻するから」

「はーい」


差し出された手を掴み、学校へと歩を進める。ちなみにこれをやるためにいつもより早起きしたのは私と臨也だけの秘密です