「ねぇ、菜音見てよ。」


臨也は自分の愛する人間を抱き締めながら微笑む


「綺麗だろう?菜音と一緒にこれが見たくて俺頑張ったんだよ」


紅に染まる街。

憎しみ、嫌悪、どろどろとした醜い感情が街を満たしていた


「菜音、これでこの街は俺と菜音だけになったんだよ」


冷たく冷えきった彼女の頬に、臨也は優しく口付けた。

この街にはもう人はいなくなった。

一人の男と人形を残して―


―ずっとずっと

傍にいるのは君だけで