―菜音、菜音


愛しい名前を呼ぶ。

だけれど菜音は俺には気付かない。

そして俺の知らない誰かに笑顔を向けながら、通り過ぎていく

あぁ、可愛い、可愛い俺だけの菜音。こっちを見てはくれないの?

…そうか、隣の奴が菜音を脅しているんだね?大丈夫。俺が助けてあげるから

ナイフを片手に家を飛び出す。狙うは菜音の隣に立つあの人間

ざっくり、と背後からのナイフを突き立てれば激しく赤を吹き出しながらそいつは倒れた

がたがたと震える菜音。俺に会えて嬉しいんだね。俺もとっても嬉しいよ


「さぁ、迎えにきたよ菜音。」


赤に染まった手を差し出して微笑んだ


―妄想恋愛

君と僕は恋人同士。
邪魔な奴は消してあげる