「臨也さん!助けて下さい…!」


バァンッ、と勢いよくドアを開けて飛び込んできた菜音の姿に俺は静かに口元を歪めた


「…どうしたの?菜音ちゃん」


何も知らないように、嘘臭すぎて本当に見えてしまうほどの笑みを張りつけた


「臨也さん、あの…」


泣きそうな辛そうな表情で菜音は俺にすがり付くような視線を向けてくる

込み上げてくるどうしようもないほどの喜びを押し込めて、俺はそっと彼女を手招いた


「大丈夫だよ、菜音ちゃん。俺が守ってあげるから」

「臨也さん…」


ぎゅっと俺の服を掴む菜音が可愛くて可哀想で愛しい

愛しい人形はくるくる回って俺の手に

全部、全部、俺の思い描いていた通り。

手に入れた俺だけのお人形。これからずっと俺のモノ


―人形劇

彼女は彼の思い通り
小さな二人だけの劇