「…はぁ、」


最近俺の大事なあの子はため息ばかりついている。

それを見て俺の顔は自然とにやけてしまう。あのため息は俺のことを考えてのため息だから

毎日、毎日かかさず送る数百通の愛のメール。家に送る彼女の写真、そして花。それに幸せを感じて菜音は幸せのため息を吐くのだろう

だけど、菜音に幸せをあげているのは俺だってことはまだ教えない

菜音が俺からの愛だって気付いてくれるまで


「…ねぇ、折原くん。相談したいことがあるんだけどいいかな?」

「いいよ。どうかしたの?」


君に焦がれる俺を隠して、信頼のできるクラスメートへ。


「あのさ―」


もう少し、もう少し、菜音が俺に堕ちるまで…―


―追跡魔の策略

確実に君を手に入れる