―トン、
「ふぅ」
テーブルの上に最後の料理を運んで一息吐く。
これで最初のお仕事は終了。
もわもわと湯気をあげる朝ごはんは、今日も良くできました!と自分を誉めてみます
時計を見ればもう少しで臨也が起きる時間
それまでの少しの時間は自分のために有意義に使わせてもらいますか
パラパラと本を読み始めれば、あっと言う間にその世界に呑み込まれていく
「おはよう、菜音」
でも鼓膜を揺らした臨也の声で現実へとすぐに引き戻された
「おはよ、臨也」
「うん、…ねぇ」
するりと腰に回された手と、目の前の笑顔を見れば臨也が何を言いたいかがすぐに分かる
「…はいはい、」
目を閉じればすぐに唇に触れる熱。全くどこの新婚夫婦ですかって、ね
でもそれを受け入れる私も私。
結局のところ君にたくさん触れていたいだけ
―挨拶