朝起きて、胸に手を当ててみる。どくどくと音を立てる心臓。まだ、昨日の不思議な感情は消えてはいなかった。


「はぁ…」


寝転がって空に手を伸ばしてみる。今日の俺はなんだか変だ。

いつもなら楽しい筈の人間観察なのに、今日はイマイチ楽しくない。珍しく授業を受けてみよう、と思っても全く集中出来ない

いったいどうしたんだ、目を閉じれば昨日の彼女の微笑みが浮かぶ

不思議な、不思議な感情。思い出しただけなのに、心臓が早鐘を打ち始めるんだ

理由がさっぱりわからない。新種の病気なのか流行り病なのかなんなのか…

つまらなすぎる自分の考えを鼻で笑う。

どうすれば、この状況を打破出来るのか…

選択肢は以外に簡単に見つかった。会いに行けばいいんだ彼女に

気付けば空は昨日と同じ茜色。長いこと考え込んでいたらしい

とりあえず会いに行こう。

体を起こして俺は図書室に向けて歩き出した