「ほら、菜音、早く起きなよ」
「…やだ、眠い」
うー、と唸りながらもそもそと布団にもぐりこんでいく菜音。
遅刻しそうだからって、せっかく俺が起こしに来てあげたのにこいつは…!
ゆさゆさと、布団ごと菜音の体を揺らせば中から唸り声。もう少しだな
最後の仕上げと言わんばかりに布団を剥ぎ取って微笑んでやる
「菜音、起きろって言ってるよね」
「眠いって言ってるじゃん…」
布団返して、伸びてくる手を掴む。
「そっかー、菜音はまだ寝たいんだね?」
「…うん」
まだぼんやりとした瞳で俺を見上げてくる菜音。あーあー、そんな顔は反則だよ
菜音を片手で引き寄せて、空いているもう片方の手の人指し指を菜音の唇に当てる
「眠り姫にはおはようのキスが必要だね…?」
ふふ、笑いを溢して顔をぐっと近付ければ菜音は焦ったように俺の胸を押してくる
「ごごごめん!起きるから離れて!!本当にごめんってば!!」
「なら最初から言うこと聞きなよ」
「はい!すみませんでしたぁぁぁあ」
俺の腕から抜け出して、わたわたと準備をしはじめる菜音を見ながら、くすりと俺は笑った
…残念だったなぁ。なーんて思いながら
―大胆かつ、効率的
寝起き悪いの君を起こす、
特別な方法