「臨也〜」
「なに?」
「手、繋ごう」
「はいはい」
少し前を歩く臨也に駆け寄ってそうねだれば臨也は少し呆れたように、でも笑いながら手を繋いでくれる
私と臨也は幼馴染みというもので、小さい頃からよく手を繋いでいた
昔は対して大きさの変わらなかった、むしろ私の方が大きかったかも知れないくらいだったのに、いつの間にか私の手はすっぽりと臨也の掌におさまるようになってしまっていた
「どうしたの、菜音」
「いやー、臨也の手大きくなったなって」
「今でも菜音と同じだったら怖いでしょ」
「そうだねー」
ゆるりと絡む指と指。変わったのは手の大きさだけでは無かったの
「さて、今日はどこ行こうか?」
「そうだなー、本屋さんとか?」
「いいね。欲しい本あったんだ」
夕陽に染まる道を二人でゆっくり歩いてく。これからもずっと変わらない、ずっと一緒。この手が私を連れていってくれるから
―手の繋ぎ方
(変わるのは想いの形が変わるとき)