好き、それの感情気付くのには大して時間は必要なかったように感じた
隣のいるのがいつのまにか当たり前になっていて、いつのまにか彼女がいないなんて考えられなくなっていたんだ
「臨也、見て」
「?なにを」
「標識飛んでる。…静雄?」
「…」
ふふ、とどこか楽しそうに外を眺める菜音
菜音の口からシズちゃんの名前が出るだけで、イラつく。
だけどそれ以上に菜音の今考えてることが俺のことじゃないことにもっとイラついてしまう
「臨也、怒った…?ごめんね?」
俺の服の裾を掴んで、こてりと首をかしげるその仕草にちょっとだけ、きゅんとする
「…別に怒ってないよ」
「そっか」
じゃあ、行こっか。なんて微笑むその表情がたまらなく愛しくて、そうだね。なんて返す俺の顔は俺を知るやつが見たら気持ち悪いくらいに緩んでいるんだろう
―友達以上親友未満
君の隣を歩いていく
それだけで世界は何倍も楽しくなる