「はーいはーい!皆注目〜!」


皆が集まるラウンジの真ん中で残夏さんがいきなりそう声を上げた。


「?残夏さん、どうかしたんですか?」

「ふふ〜、なおたんよく聞いてくれたね〜!」

「はい?」

「これから、第一回"妖館宝探し大会"を始めたいと思いまーす!」

「「「大会探し大会?」」」


いきなり言われたそれに、皆不思議そうに残夏さんを見つめる。

皆、っと言っても御狐神さんはにこにこ笑ってるだけで、連勝さんはいつも通り気だるげに、野ばらさんはまるっきり興味無しとりりちゃん見てにやにやしているのだけれど


「そう、宝探し大会〜!ちなみに優勝者には妖館の誰かを選んで好きに命令できる権利が与えられまーす☆」


ざわつく皆。
それはそうだろうね。
好きに出来ちゃうんだもんね。残夏さんの兎耳外すとか


「つまりは、菜和ちゃんやカルタちゃん、凛々蝶ちゃんを指名してあんなことやこーんなことしてもいいってことよね!?」

「あくまで常識の範囲以内でだよ〜。そして本人の許可を取れたらね〜?」

「凛々蝶様と…」


優勝者の権利を聞いてか、さっきまでやる気がまるで無かった人達も、そうじゃなかった人達もみんながなんだか雰囲気が変わった


「宝は妖館のあっちこっちに隠してきたから、より沢山見つけられた人の優勝だからね〜。皆頑張って〜」

それじゃあ、スタート☆パチンと残夏さんが指を鳴らしたのと同時に皆がラウンジから去っていった。

残っているのは私と残夏さんだけ。


「あれ〜?なおたんは行かないの〜」

「もう少ししたら行きますよ。」

「のんびりしてたら宝取られちゃうのに〜?」

「それより、この宝探し大会、残夏さんは参加出来ないじゃないですか」

「そうだね〜、主催者ボクだから」


それに見えちゃったりしたら不公平でしょ?笑う残夏さんにちょっとのもやもや。


「今度は残夏さんも、皆で出来て楽しめる大会、一緒に考えましょう?」

「うん、いいよ〜」

「約束ですよ?…じゃあ、行ってきますね」

「いってらっしゃーい!」


ひらひらと手を振る残夏さんをラウンジに残して、私も宝を探すべく階段を駆け上がった



「大丈夫だよなおたん。この大会、ちゃーんとボクも楽しめるようになってるから、さ」



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