「はっ、はっ!」

「〜♪」

「…」


お日様のあたたかいお昼の時間。屋上でトレーニングをする渡狸くんを残夏さんと一緒に眺める


「なおたん〜」

「はい?」

「今日もいい天気だね〜」

「そうですね、お昼寝日和です」


紅茶を一口飲み込んで、息を吐く


「…渡狸くん、頑張ってますね」

「ラスカルはカルタたん守れるようになりたいんだってさ〜」

「そうなんですか。かっこいいですね」

「「…え?」」

「え?」


何故かぴたりと動きを止めた残夏さんと渡狸くん。…え、どうしたの


「菜和、お前今何て…?」


すごい勢いで近寄ってきた渡狸くん。ちょっと怖かった。


「え、かっこいいですね…?」


恐る恐るそう言うと、渡狸くんは素晴らしいくらいに瞳をきらきらと輝かせた。…か、可愛い


「おい!残夏聞いたか!?菜和が俺のこと、」

「なおたん、そういうこと言っちゃダーメ」

「遮んなっ!!」

「ラスカルにはかっこいいは禁句なんだよ〜?」

「え、そうなんですか…!」

「いや、違うから!残夏の言うこと信じるんじゃねぇよ!!」

「渡狸うるさーい」


残夏さんは、えいっ☆といつのまにか豆狸に変化していた渡狸くんの尻尾を引っ張った

バタッと倒れる渡狸くん。…なんか可哀想、いや可愛そう


「なおたん〜?」

「はい?」

「ボクとお散歩しに行こうか〜?」

「いいですけど、渡狸くんは…?」

「ラスカルなら放っといて大丈夫だよ〜」


ほら、行こう?って手を引かれるがままに屋上を出て、残夏さんとお散歩に出掛けた。

帰ってきたときには渡狸くんはもう元気だった



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