茜色に染まる湖。

何度ボクの命が廻ってもそこだけはずっと変わらなかった

前世の記憶が残るから、ボクは気付けばここにいる


「なにやってんだろうねー、」


自分で彼女を返したのに、ふとそれを後悔することがある。あのとき返さなかったら彼女はボクの隣にいたのではないか、と

耳に響く心地よい声が、またボクの名を呼ぶことを期待してるんだ


「残夏さん」


って。


「残夏さん?残夏さんですよね…?」

「…えっ?」


風に舞う明るい色素の薄い髪。浮かべられている柔らかな笑顔

忘れられなかった、忘れることなんてできるはすが無かったその姿。


「残夏さん、お久しぶりです。廻って廻って会いに来ました」

「―、菜和…?」


二度と口にすることは無いと思っていた名前。返ってくることはないと思っていた笑顔


「はいっ!」

「菜和、菜和なの?本当に…」

「本当ですよ。…これからはずっと残夏さんの傍にいます」


手に入らないとわかっていても叶わないとわかっていても諦められなかった夢。


「菜和、愛してる」

「…私も、です!」


ボクは手に入れた。

再び彼女と笑い合う日々をもう絶対に離したくない日々を…――





―遠い昔に伝えた想いは跳ね返ってハッピーエンド!

これからは君とボク、手を繋いで進んでいこう!



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