それはほんの小さな出来心だった。

修行と題してどこかに行ってしまった櫂を、三和とミナトの二人で探していたときのこと

三和は不意に頭に浮かんできた疑問を、ミナトに投げかけた


「なぁなぁ、ミナト」
『なになに、三和』
「ミナトって櫂と付き合ってるけどさ」
『うん』
「櫂より先にオレが告ってたらどうした?」


三和のその質問にミナトは、驚いたように目を見開いたあと、へらりとした笑みを浮かべた


『わかんないね。付き合ってたかもしれないしそうじゃないかもしれない』
「そっか」
『でもね、もしそうじゃなくてもそうでも』


ミナトはそこで一旦言葉を切ると、三和の数歩前まで進んで、三和の正面に立った


『三和は私の一番の理解者で、一番仲良しの男友達だよ』


ミナトの答えに今度は三和が目を見開く番だった。そのあと三和は苦笑いを浮かべたけれど


「なーんか複雑な答えだわ。でもありがとな」
『どういたしまして。』


また隣に並んで歩き出し始めたミナトに、今はこれが一番いい、そう思って三和はミナトと櫂探しを再開した





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