『わー!あの子達の将来楽しみっ』


ね、櫂。微笑むミナトに櫂はどう将来が楽しみなのかわからないまま「あぁ」と頷いた

今、櫂とミナトは2人きりで出掛けている。俗に言うデートというものだ

待ち合わせをしてデートを始めたまではよかったものの、人が多い街に出てきた途端ミナトがあちこちうろうろし始めてしまっていた

自分好みの雰囲気を醸し出している男の子達を見つけては、関係性を妄想しはしゃぐ。ミナトは今、そんな状態であった


「おい、ミナト」
『んー?なに、櫂?アイチくん見つけたの?』
「違う」


最初はミナトだから仕方ないと考えて、見守るだけだったのだが、だんだん不満になってきていた

これはデートの筈なのにどうして俺は放っておかれているのか、と


「ミナト」
『ん?』


櫂が名前を呼ぶとミナトはくるりと振り返り立ち止まる。櫂はそんなミナトの手を掴んだ


「…ミナト」
『…櫂さん、顔真っ赤』
「うるさい。…どこに行きたいんだ」


顔を真っ赤にしながらも、冷静を気取って話す櫂にミナトは笑いを堪えながらも、手を握り返して答えた


『うーん。…櫂と一緒だとどこでも楽しいから迷うなー』
「馬鹿か。おまえは」


言葉のわりには嬉しそうな顔をしながら、櫂はミナトの手を引きながらどこへミナトを連れていってやろうかと考えた




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