『櫂、Yシャツ貸して?』


にっこり、眩しいくらいの笑顔を浮かべながら両手を差し出してきたミナトに櫂は不振なものを見るような視線を向けた。


「何に使うつもりだ」
『着るだけだよ?』


そんな櫂の視線を全く気にせず、むしろ早く渡せ、と言わんばかりにミナトは櫂に近寄る。

だが、それなりにミナトと付き合ってきた櫂だ。これくらいでは動揺したりなどしない。

それよりも、見えすいたミナトの考えをどう崩してやろうかと考える


「…どうせ、アイチに着せて彼シャツだのなんだと騒ぐつもりだろう」


ぎっと、少し強めに櫂がミナトを睨むと、ミナトは笑顔を苦笑いへと変えた。


『あら、バレた?アイチくんが櫂のシャツ着てたらものっそい可愛いと思ってさ』


だから貸して?怯むことなくまだ手を差しだしてくるミナトに櫂は1人ため息を吐いた


「お前が着ないなら貸すつもりはない」
『え、じゃあ私が着るなら貸してくれるの?』
「……っ」


自分の発言の意味に気付いて若干の焦りを見せ始めた櫂をミナトはニヤニヤしながら見つめる


「……好きにしろ」


いたたまれなくなって、顔を反らした櫂にミナトは楽しそうに笑いながら櫂に飛び付いた


『櫂が彼シャツ萌えとかしらなかったー!』
「う、うるさい!」






彼シャツする
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