その日の櫂は朝から苛々していて、いつも以上に近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。


「…なぁ、ミナト」
『んー?なに』
「櫂、機嫌悪いけど何かあったのか?」


櫂があんな風になっている原因はほぼ100%のことでミナト関係で何かあったに違いない。そう考えた三和がミナトに話しかけると、ミナトはニィと楽しげに口端を持ち上げた

その笑顔に三和は「やっぱりな」と、苦笑いを浮かべる


「で、なにがあったんだよ?」
『それがさ、昨日櫂と帰ったときに近所の子に会ったんだよねー』


その場面を思い出してか、にやにやとしはじめるミナト


『私、何かその子に好かれてるみたいでね、櫂の目の前でその子が櫂にライバル心燃やしちゃって…、ぷっ』
「思い出して笑うとか、相当面白かったんだなその場面」
『うん。三和いなかったのもったいないわ』
「カードキャピタル行かないで、一緒に行けばよかったわホントに」


で、その子は櫂に何したんだ。と三和が話の続きを促すとミナトは、けたけた笑いながら口を開く


『"ミナトねぇと結婚するのはおれだっ!"って櫂に宣言したの』
「…うわぁ、すげー勇気あんなその子」
『だよねー。それで櫂がその子と張り合って"ミナトは俺のだ"って』
「…恥ずかしいこと言うな櫂も」
『私すっごいびっくりした。』


だけどその倍嬉しかった。そう言ってさっきとはまた違った少し照れ臭そうな笑顔を浮かべたミナトに三和は呆れたような表情を浮かべて


「バカップル爆発しろ」


とだけ言った



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