▼なやむ




『…どうしよう』


財布を中身を覗き込んで、ため息を吐いた。…もう少し増えないかな……。

今日は12月18日。
あと明後日は赤司くんの誕生日。でも、まだプレゼントを用意できてない

赤司くん、何が欲しいんだろ…!

さりげなーく聞いてみる、とかそんな高度なこと出来ないし、かといって単刀直入に聞きすぎるのもアレだし……。


『赤司くんは何あげたら喜んでくれるんだろ…?』
「白月さんがプレゼントしたものなら何でも喜ぶと思いますよ」
『黒子くん…』


後ろからにゅっ、といきなり現れた黒子くんが私の一人言に返事をくれる。なれてしまったらもう吃驚はしない。何でもか…、困る…。


「決まりそうにないのなら、桃井さんや黄瀬くんに相談してみたらどうですか?あの2人ならそういうの得意だと思いますよ」
『…なるほど』
「…とりあえずは」


白月さんの気持ちをつめこんであれば、赤司くんは喜びますよ。どこからか取り出した犬のパペットを手にはめて黒子くんはそう言った。…ちくしょう可愛い


『…じゃあ、頑張っちゃいます』


黒子くんの手からパペットを抜き取って、自分の手にはめた。ふわふわと揺れるパペットの犬の耳。あぁ、本当にどうしようか。


「あ、そういえば僕らは後日に赤司くんにプレゼントを渡すので、当日は2人きりで楽しんでくださいね」
『…はい?』


当日は2人きりで楽しんでくださいね?黒子くんのその言葉が頭の中で反響する。

嘘でしょー…、そんな、話聞いてないんですけど!
ふ、2人きりで赤司くんの誕生日を祝うとか…
プレゼントを選ぶ以上に悩むじゃないですか……。

頭を抱えて『うーん』と唸ると、黒子くんが無言でチョコをくれた。


(なやむ)
20121028

現在進行形で悩んでる



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -