▼女子力は、無かった。
『ふはーっ』
ぼふっと音をたててベッドに飛び込む。体を包む柔らかな感触は病み付きものだと、そう思う
ふと、枕元に置いておいたケータイがちかちかと受信告げて点滅しているのが目に入った。
さっちゃん、かな。そう予想をたてて、携帯を開けばいい意味で、予想は外れていた。表示されていたのは"赤司くん"だった
無意識に顔がにやけていくのがわかる。いつの間に私はこんなに赤司くんのことが好きになったんだろう?
夏休み前は、
むーくん>>>>>>赤司くん
くらいの関わりだったのに。それでも、赤司くんと関わったときのことは鮮明に覚えているんだから、つまりそういうことなのかもしれない。
《明日も一緒に帰らないかい?》
絵文字のないシンプルなメール。あぁ、赤司くんなんだなぁって
《よろこんで!》
返事を打って、ふと思う。
(…私のメールってさっちゃんみたいに可愛くない)
さっちゃんのメールは、絵文字が使われてて、女の子ーっ!って感じのメールだと思う。それに比べたら、私のメールって寂しすぎるんじゃないんだろうか…?
『うーん…』
でもさっちゃんみたいに可愛いメールにしてみよう!って思っても、したことないから仕方がわからない。…困った。
『明日、皆に聞いてみよっかな…?』
結局文は変えないままで、赤司くんにメールの返事をすることに。
可愛いメール、女の子っぽいメール……。
それだけがぐるぐる回って。頭がキャパシティオーバーだと、悲鳴を上げた
もうこれ以上考えても無意味な気がする。
今にもプシュゥゥウと煙を上げそうな頭を押さえ込んで、とりあえず寝ることにしよう。
(メール)
20120927
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