▼新学期




「だりぃ〜」


ぐーっと背筋を伸ばしながら、そう欠伸混じりに言ったのは新学期最初の席替えで隣になってしまったアホ…青峰くん。


「大輝。うるさい」


その青峰くんの背中に、すっごい笑顔で鋏の切っ先を突きつけているのは赤司くん。

つまり、新しい私の席は青峰くんの隣、赤司くんの斜め前なのである

前の席は窓側と中間で微妙な距離だったから、今回近くなれて結構嬉しい。それを隠せないまま赤司くんの方に振り返る


『席近くなったね。嬉しい』
「…俺も、嬉しいよ」


ふっと優しく笑ってくれた赤司くんに、さっきよりももっと嬉しくなる。これで隣で冷やかしてくるアホがいなかったらどれだけよかっただろう


「ひゅ〜、あっついねぇ。付き合い始めたらベッタベタじゃねぇかよ〜」
「大輝。今死ぬのと黙るのどちらか選ばせてやろう」
「スンマセン。黙ります。」


きらーんっと光輝く鋏を持つ赤司くんの前で土下座するアホ峰。…赤司くん、流石キャプテンすぎる


「大体何故お前が菜乃の隣なんだ。殺す」
「恐るべき理不尽!」


鋏を輝かせる赤司くんと赤司くんから逃げ惑うアホ峰。

とても平和に新学期が始まったなぁ。と私は思いました。あれこれ作文?

そのうち無事にアホ峰が赤司くんに血祭りに上げられたようで赤司くんはすごく清々しい笑顔で席に戻ってきた。アホ峰は…うん、元気です。


(新学期)
20120926



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