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「ねぇねぇ、なのちん」
『んー?』
「ちょっと悪戯しよー?」
『いいよ』


赤司くんは今緑間くんと将棋中。軽く赤司くんの膝を叩くと、赤司くんは私の方へと振り返る


「どうしたの?」
『降りてもいい?』
「いいよ。でも戻って来るんだよ」
『わかった』


赤司くんは私の頭を一撫ですると、お腹に回されていた手を離してくれた。私は赤司くんから離れると悪戯したくてうずうずしてるむーくんの元へ


『悪戯って何するの?』


そうむーくんに聞くと、むーくんは両手にあの大量の調味料を持って…


「黄瀬ちんと峰ちんに特製ドリンク作ってあげんの」


と、すっごく楽しそうに言った。むーくんナイスアイディア過ぎて何も言えない。

そこらへんにあった醤油とガムシロを手にとって、むーくんと顔を見合わせて、にたりと微笑み合う


「やっちゃいますか」
『やりましょう』


青峰くんと黄瀬くんは、1on1やってるから私たちとは少し離れたところにいるし、気づかれる心配は……ない!


『まずはー、汗かいてるから塩分とー、あと体にいいからお酢!』
「待ってなのちん。あと、甘味も必要だから〜、蜂蜜も入れよっとぉ〜」
『おおう!いいねいいねー!あとレモン汁もどうかな?』
「あとは適当にジュース混ぜよっかー」


調味料入れてー、混ぜてー、でっきあっがり!


『じゃあこれを…?』
「峰ちんと黄瀬ちんに飲ませよー」
『「うぇーい」』


作ったジュースを持って、ちょうど休憩を始めた二人のところにいく。どうしようわくわくしてきた!


「黄瀬ちーん、峰ちーん」
『おっつかれさーん』
「あ、なのっち!紫原っち!」
「飲み物持ってくるたぁ、なかなか気が利くじゃねーか」


余程喉が渇いていたらしく、むーくんから特製ドリンクを受け取った2人はそれを一気に煽って…


「「っぶはぁぁぁぁぁ!?」」


吹き出した。


「『ぶっ』」


そして青峰くんと黄瀬くんの凄まじい表情に、私とむーくんも違う意味で吹いた。


『っ、2人とも、顔っ、やばいっ…!ぶふっ』
「黄瀬ちん、顔ひど…ぶふふっ」
「ちょっと2人ともモデルになんつーもん飲ませるんスか!?」
「黄瀬はどーでもいいけどよ、俺まで巻き込むんじゃねぇよ」
「青峰っちひどい!」
「オメーの顔のがひでぇよ」
『正論過ぎて、何も言えない』
「なのっちぃぃぃい!!」
『うわっ!?』


いきなり飛びかかってきた黄瀬くんに、私は成す術もなく倒れ込む。…ちょうど隣にいた青峰くんのところへと


「「『うぎゃああああ!?』」」


ドッターンと体育館に響き渡る音。視界の端に映ったむーくんの顔は何故か引きつり、冷や汗が頬を伝っていた

…まずいんじゃないかな、コレ?


「おい、お前ら何をしているんだ」


外れてほしかった予想は的中し、赤司くんの冷ややかな声が耳に届いた。今の私には青峰のお腹部分の服しか見えないから、赤司くんの姿は捉えられてない。それがさらに怖い、姿見えないのめっちゃ怖い


「涼太、大輝。さっさと菜乃を解放しろ。…わかっているな?」


赤司くんのその言葉に黄瀬くんと青峰くんの体が強張ったのを感じた。赤司くんの威圧感はんぱないです、はい。


「速やかに菜乃から離れて、俺に渡せ」
「は、はいっス」


言うが早いか黄瀬くんは私の手を引っ張り立ち上がらせると、赤司くんの方へ私を投げた。…おい、黄瀬ェ

赤司くんは私を受け止めると、にっこり微笑んだ


「おかえり、菜乃」
『た、ただいま…?』


にっこり笑顔な筈なのに、どうしてこんなにも怖いのでしょうか


「菜乃。打ち上げ終わるまで俺の膝の上で大人しくするんだよ?」
『…え゙』
「菜乃。俺の言うことは絶対だ。」
『は、はいいい』
「よし、いい子だ」


それから本当に赤司くんの膝に乗せられ続け、精神がかなりすり減ると言うある意味での拷問をうけた

帰りの赤司くんの表情が妙に生き生きしていたために、青峰くんが「お前生気吸われたんじゃね?」って囁いて赤司くんにシメられていたとか私は知らない。


(続 打ち上げ)
20120922



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