▼むーくんと
「あーちー」
『あっついね〜。』
むーくんと2人、いつもの場所でぐてりと倒れ込む。少し前までは寄り添って寝ていたねこさんたちは、暑いのか少し離れたところにいる
「なのちんと会ったばっかの時は、暑くなかったのにねー」
『もうすぐ夏休みだもんね。時間が過ぎるの早い』
ぱたぱたと手で扇いでみるけど、あんまり風は来ない。
「夏休みやだなー。なのちんに会えなくなる」
ぷくっと頬を膨らませるむーくんは、相変わらず大きいのにちっちゃい子みたいで、可愛い
『私も、むーくんに会えないのやだよ』
「本当に?」
『本当に』
「じゃあ、なのちん会いに来てよ。お菓子持って」
『そうしようかな』
夏休み、長い長い休みだから皆にしばらく会えない。なら会いに行けばいい。
「俺、なのちんお菓子、好きだよ」
『ありがとう』
だから絶対会いに来て、そう言って肩口にぐりぐりと押し付けてくるむーくんの頭を撫でた。
夏の湿った生温い風が頬を撫でていく、あぁもう夏休みだって、なんだか少し寂しくなった
(むーくんと)
20120910
加筆1027