一番好きなこと
『なんだかフリーセルご機嫌だね』
「わかる?」
『うん。すごくうきうきしてる』
ふわふわと柔らかな髪を揺らしながら微笑むフリーセルは、いつもより機嫌が良いのがすぐにわかった。
しいて言うなら、機嫌が良い理由もわかる
『カイトとのパズル、そんなに楽しみなの?』
「うん。すごく楽しみだよ。」
『…へぇ』
にこにこ、にこにこ。
フリーセルの笑った顔は好きな筈なのに、どうしてか今はちょっぴり嫌だ。
見ているのがなんだか辛くなって顔をフリーセルからそむけると、不思議そうにフリーセルが私の顔を覗き込んできた
「どうしたの?具合でも悪い?」
『そんなこと、ない』
「…ぷっ、頬っぺた膨らんでる」
『膨らんでない』
フリーセルは何回も私の頬をつつくと、満足したのか手を離した
「ねぇ、名前」
『なに…』
フリーセルは悪戯っ子みたいに笑うと私をぎゅっと抱き締めた。
「僕は確かにカイトとパズルするのはすごく楽しみだけどね」
名前といる時のが楽しいよ。そう言ったフリーセルを私は思い切り抱き締めた
一番好きなこと
(君と一緒にいること)
20120709
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