その唇は戦利品
「名字、ボクとゲームしよ〜?」
「いいですよ」
トランプを持ちながらにこりと微笑む残夏さんの提案を、私は普通に受け入れた
だって、暇だったし
「普通にしてもつまらないからさ、勝った方は負けた方に好きな命令をひとつしていい、って言うルール付きにしな〜い?」
「いいですよ、楽しそうですし!」
私が勝ったら残夏さんに何してもらおうかなー、むくむくと悪戯心が生まれてくる
絶対に勝ってやる…!
***
「はーい、ボクの勝ち〜」
「うわぁぁあ…」
結果、私が負けた
なにこの残夏さんの強さ!?結構自信あっただけにショック
「名字、ボクが勝ったから、ボクの命令聞いてくれるよね〜」
「…はーい」
「じゃあこっち向いて〜」
言われた通りに残夏さんの方を見た瞬間、ちゅっと軽いリップ音が響いた
「!」
「ごちそうさまでした」
目の前で微笑む残夏さん。
私はただびっくりしすぎて動かなくなった体を椅子に預けた
その唇は戦利品
(ご褒美くださいね?)
◎JUKE BOX.
20120229
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