泣くように笑う
おれの大好きな女の子は、臨也くんのことが好きな女の子。そして臨也くんもその子が好き
「サイケは可愛いねー」
おれの頭を優しく撫でてくれる名前ちゃんの掌はあったかくて気持ちいい
「えへへ、嬉しいなっ」
名前ちゃんの手に、擦り寄ればがたりと、椅子が動く音。
「名前、何やってるの」
「ん?サイケ撫でてるの」
「だめ。禁止」
「えっ、ちょっ」
臨也くんは名前ちゃんが反論する前に名前ちゃんを掴み上げる
そして、さっきまで自分が座っていた椅子に座る。名前を膝に乗せて
押さえてるみたいだけど、名前ちゃんの顔は緩んできてる
「ふふ、臨也の妬きもちやきー」
「…うるさい」
すっかりおれは蚊帳の外。
でも、名前ちゃんが幸せならって、おれは笑いながら二人を眺めるんだ
―泣くように笑う
(好きだと言えない)
◎JUKE BOX.
20120201
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