メロメロなんです
「名前」
「?なんですか」
ちょこん、と椅子に座って本を読んでいる名前に抱きついてみる
すると不思議なことに、ふわっと甘い匂いがボクを包み込んだ
もっともっと、その匂いを嗅ぎたくて頬を擦り寄せれば、名前は驚いたように肩をぴくりと動かした
「あのー、アマさーん?」
「なんでしょう」
ボクを見上げる大きな瞳は、きらきら輝いてまるで宝石みたいに見えます
「本、読めないんで退いてくださいな」
「嫌です。名前はボクより本が大事なんですか?」
「あー、その…」
困ったように眉を下げる名前がなんだか嫌で、名前の手からひょいっと本を取り上げて届かないところへと放り投げる
これで名前はボクを見てくれます
「あー、いいとこだったのに…」
しょぼん、と項垂れる名前にさっきよりもぎゅっと抱きついて、顔を覗き込む
「本よりボクの方が大切でしょう」
「…そーですね」
困った顔から苦笑いへ。
本当はその顔も嫌だけどボクは名前には優しいから許してあげます
「名前、名前」
「はーい?」
「大好きです。一番」
そう言えば、ほら。
君はほんのり顔を赤くして微笑んでくれる
その顔さえ見れればボクは生きていける気がします
メロメロなんです
(キミが好きで仕方ない)
◎JUKE BOX.
20120125
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なんか違うね
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