言葉を飲み込む
「相馬さんっ!」
ぱぁっと、花が咲くように笑う君は俺の心を癒してくれる
どうしたの?って振り向いて柔らかいふわふわとした髪をなでてあげれば名前ちゃんは、気持ち良さそうに目を細める
可愛いな、最初はそれだけだったのに、いつのまにか"好き"になっていた
「相馬さん、あのですね!」
「うん、どうしたの名前ちゃん?」
二人っきりで話す時間。これを確保するために、佐藤君に休憩時間を交換してもらってる
名前ちゃんの全部がかわいくて、愛しい
…好きだ、すごく好き
「やっぱり相馬さんはいい人ですね、私相馬さんのこと大好きです!」
そんなこと言わないで。いらない期待をしてしまうから。「ありがとう」って俺は笑顔をはり付ける
君の好きは、俺の好きと違うから
「相馬さん、お兄ちゃんみたいで本当に好きです」
それにまた、「ありがとう」としか返すことが出来ない俺は、臆病なんだ。
この関係を壊せない、この心地良い距離を崩したくない
伝えたい、伝えたくない
静かに叫ぶ、君が好き。
それは言葉になることなく、消えていった。
―言葉を呑み込む
(君の傍にいたいから)
◎xxx-TITLES
20120229
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