隠し恋文
「…どうしようかなぁ」
右手にペン、目の前にはシンプルな便箋。
用意は完璧にできた、…でも何を書いたらいいかわからない
ノリに乗せられて佐藤くんに書くことになった手紙。
どうでもいい人に書く手紙は簡単に書けるのに、そうじゃない人に書くのはなんでこんなに大変なんだろう
今だって、ほら。
佐藤くんがいるわけでもないのに、佐藤くんに手紙を書くってだけでこんなに心臓が忙しい。
"すきなひと"
それだけなのに、こんなに緊張するなんて、おかしいよ
文字が震えないように、文字が汚くならないように、変な内容にならないように…！
「…できた」
完成したのは短い手紙。今はこれが精一杯！
『だだん！名前です(笑)
いきなりお手紙失礼！
すき焼きパーティー今度するから
きてね！よかったらなんだけどさ！ 』
…内容酷いな
そう思ったけど仕方ないよね。すき焼きパーティーのお誘いの手紙なんだから。
すきなひとに渡す最初の手紙がこれって色気ないよね…、まぁ、いっか
明日、頑張って渡そうっと！
…佐藤くんは気付いてくれるかな？
ちょっとした期待を込めて、明日佐藤くんに渡しにいこう
―隠し恋文
(手紙に隠れた愛言葉)
佐藤出てきてない((
よかったら愛言葉探してみて下さいね！なんて
20120216
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