ちょっと嫉妬



きらきら輝く金髪に、料理をする姿。どれもこれもがかっこいい

それが私の恋人さん



「名前、これ持っててくれ」

「はーい」


佐藤さんから差し出された料理を受け取り、ホールに向かう。

勝手に頬がでれ、っと緩んだ

最初は名字呼びだったのに、今はこうして名前で呼んでもらえてる。

嬉しくて、仕方なかった


「名前ちゃん」

「はい?なんですか、相馬さん」

「顔、すごく緩んでるよ」

「本当ですか!?」


ぱんぱん、と頬を叩き気持ちを入れ直す。にやにや顔で接客なんて駄目だもの!

しかし、言われたのはこれで三回目。どうしても緩む頬を押さえられないのだ


「幸せそうで何よりだよ。」

「ありがとうございます!」


にこっと爽やか笑顔の相馬さんに、私も笑って返す。にこって言うよりにやって感じなんだけどね

相馬さんと別れて、愛しの佐藤さんの元へ。

確か今は休憩してるはず!


「佐藤さんっ!」


押さえきれない緩んだ顔のまま、佐藤さんに話しかけてみればなぜか佐藤さんは不機嫌そうに煙草を吸っていた


「…」

「あのー、佐藤さん?」


佐藤さんは私の声が聞こえてるのか、いないのか。

煙草をぐしゃりと灰皿に押し付けて消すと、ゆっくりと椅子から立ち上がった

高い身長の佐藤さんを必然的に見上げる形になりながらも、見つめる


「…お前は、俺より相馬の方がいいのかよ」


ぼそっと呟かれた言葉に、目を見開く。

佐藤さんよりいい人なんているわけがないのに


「さ、佐藤さん?」

「相馬と仲良く話してるの見るとなんか腹立つ」


くしゃり、と前髪を掴んで、そっぽを向く佐藤さんは可愛くて、思わずぎゅっと抱き着いた


「佐藤さん以上に好きな人はいませんよ!佐藤さんが大好きです」

「…そうですか、」


髪の毛の隙間から見える、赤く染まった佐藤さんの顔。

きっと自分も同じなんだろうな、て。またにへっと頬を緩めた


―ちょっと嫉妬

(愛されてる証)

佐藤カムバック!
20120126

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