違う世界で
「ねぇ名前さん。思いませんか」
「…何を」
「僕と、名前さんもっと違う出会い方は出来なかったのかって」
「思わないよ。まず興味も無い」
「相変わらずつれませんねぇ…名前さんは。」
「…ちっ、」
こんなどうでもいい会話をしながらも、雀ヶ森の攻撃は止まらない
次々にダメージが増えていく、…トリガーが引ければ…!
「考えたこと、ありませんか?違う出会い方」
「無いって言った」
「そうですか、残念です。」
雀ヶ森は手を止めるとふぅ、と息を吐き出した。…まるで馬鹿にされているように感じる
「もし、僕と名前さんがこんな出会い方をしていなかったら、名前さんはもっと快く僕のモノになってくれていたかもしれないじゃないですか」
そしたらこんなこともしなくて済んだ筈ですし。そう笑う雀ヶ森に嫌悪感を覚える
「それは絶対にあり得ない」
「…ふふ、そうですね。名前さんが僕のモノになるのには変わり無いんですから…」
「私は、貴方のモノになんてならない…!」
ガード!攻撃を防いだ今でも雀ヶ森の表情は変わらない。
私とのファイトをずっと、ずっと笑顔のままで続けている
「そう言っていられるのも今だけです。…決まってるんですよ。名前さんは僕のモノだ」
「―っ!」
すと、と落ちたガード。
これでダメージは六枚目。私の負け、だった
「さぁ、約束ですよ?名前さん」
「…、」
「僕のモノになってくれますよね…?」
―違う世界で
(それでも君のことは嫌い)
20120226
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