りんごみたいに





「なぁ名前」

「なに?タイシ」


レストランにてタイシとティータイム中

タイシはフルーツパフェ、私はチョコバナナパフェを食べている

その途中いきなりタイシが口を話し出した


「名前ってさぁ、好きな人とかいんの?」

「んー、」


バナナをスプーンで掬って持ち上げる。…好きな人かぁ

頭に浮かぶ一人の男の子。


「いる、かな」

「まじでかぁ〜」


タイシは私の返事を聞くと、大きなため息を吐いて、テーブルに倒れ込んだ


「どうしたの?」

「俺、失恋した」

「あらまぁ、可哀想に」


目の前にある黄色い頭をぽんぽんと撫でる


「なぁ名前。お前誰が好きなの?」

「えー、タイシの失恋相手教えてくれたら言う」

「…、わかったよ」


タイシは頭を上げると、なぜか姿勢をびしっと正して私を見た

気合い入れすぎでしょう。そんなこと思いながら最後の一口分のパフェを口に運ぶ

タイシは一度、ごくりと唾を飲み込むと決心したように口を開いた


「俺はお前が好きだっ!!」

「はっ?」

「だーかーら、名前のことが好きだって言ってんの!!」

「…じゃあ、失恋してないじゃん」


スプーンを置いて、顔を見られないようにそっぽを向く。

好きな人に告白されて顔に出ないことなんでありえないもん

タイシの方は豆鉄砲を食らった鳩みたいに間抜けな顔をしている


「そ、それって…」

「私の好きな人はタイシってことだよ」


たちまち嬉しそうな表情になっていくタイシ

…、あぁ!もうっ


「名前、大好きだ!!」


笑顔で叫ぶタイシから目を反らして水を飲む

あぁ、もう熱いったらありゃしない


―りんごみたいに

(真っ赤な顔を冷やしたい)

ちょっ、事故ったww
20120122

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