独占時間




きっともうすぐあの人は来る。「折原くん」って少し呆れた顔をしながら

それがあと何分後なのか、何秒後なのか、楽しみで仕方ない

自然と軽くなる足取りで廊下を歩いていればほら。


「折原くん。みーつけた」


あの人の声が響く


「やぁ、名前ちゃん」


緩みそうになる表情をなんとか抑えて、口元を緩めるだけにとどめる


「やぁ、じゃないよ。また折原くん課題出さなかったでしょ」


こつこつ、と足音をならし俺の目の前に立つ彼女

腰に手をあてて俺を軽く睨み付けてくる。

だけど名前ちゃんは俺より身長が小さいため、上目遣いされているようにしか見えない

名前ちゃんは本当に可愛い


「折原くんは課題終わるまで居残りだからね」

「えー、面倒くさいなぁ。見逃してよ名前ちゃん」


見逃して欲しいなんて真っ赤な嘘。
でもこう言った方が得になる


「駄目。ほら来なさい」


思わず崩れそうになる表情を抑えて、嫌そうに眉を無理矢理ひそめる


「名前ちゃん、ひっどいなー」

「私の課題だけを全く出さない折原くんに言われたくないよ」

「そんなことないって」


名前ちゃんに腕を捕まれて、無理矢理歩き出させられる


「逃げないように終わるまで監視してるから」

「信用無いなぁ」

「なら、課題ちゃんと出しなさい」


ほら、と連れてこられた教室。閉められる扉。

これで名前ちゃんと俺の二人だけの空間が完成する

これから暫くは俺は君を独占できる時間が始まる


―独占時間

(今だけは俺だけの君)


先生×臨也
20120122

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