無防備注意




「しーずお、遊びましょ」

「あ、おい!勝手に入ってくんじゃねぇ!!」


俺の言葉なんて聞かないで、名前はするりと窓から俺の部屋に入ってくる

家が隣。お互いの部屋が窓で行き来できるくらいの距離。案外これは困るものだと最近になってやっと思った


「しずー、遊んで」


暇で死にそうなんですよ。そんなこと言って、俺のベッドに寝転がり始める名前。おいやめろ


「別にいいけど、何がしたいんだ?」


自然に名前をベッドから引きずり下ろしながらいう。名前が少し不満そうにしてるけど、そんなの気にしてられるか


「なんでもいいよー、漫画貸して」


ほい、と手を出してくるこいつの最終的な目的は漫画を借りることらしい。

仕方なく、適当に漫画をとって手渡せば名前は嬉しそうに笑って、それを手にベッドに寝転んだ

…おい

ごろん、ごろんと体を動かしながら漫画を読み始める名前

こうなった名前に話しかけてもろくに返事なんて返ってこない

でも、もう返事とか気にしてられる状況じゃなかった。

名前が動くたびに、スカートが際どい部分を微かに見せる

これは、思春期真っ盛りの俺にはけっこうキツいものがある

そんなこと気にしない名前はごろん、ごろんと転がり続ける

あ゙ぁ゙!もう我慢の限界だ!!


「俺だって、男なんだから少しは気にしろ阿呆名前!!」

「へっ?」


間抜けな顔をする名前に、俺は着ていたパーカーを投げつけて部屋から出ていった

その数分後、ごめんね静雄。なんて名前が謝りにくるから俺はもうどうすればいいのかわからなくなった


―無防備注意

(我慢できる今が幸。)


20120216

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