不機嫌姫の機嫌の直し方



「…」


ぶっすー、とした顔で名前は俺とひたすら目を合わせないようにそっぽを向いている


「名前?」


声をかけても、ちらっとこっちを向くだけで何の反応も示さない

ただクッションを抱き締めて、不機嫌そうにそっぽを向く


「名前、どうしたの?」

「うっせえ、死ね馬鹿」

「ぶっ」


女の子とは思えない言葉と共に飛んできたのは、彼女が抱き締めていたクッション


「名前?」

「うるさいよ、馬鹿臨也。ぼっち、たらし、下半身星人」

「…」


どうしてこんなに暴言を吐かれなくちゃいけないんだろう。…俺、名前に何かした?


「ばーかばーか、一生一人鍋してろ」

「名前、そろそろ怒るよ?」

「…勝手にすればいいじゃん。怒られたら臨也と同じように浮気してやる」


半分涙目になりながら、俺を睨み付けてくる名前。可愛いよすごくね。

…浮気って?俺、浮気した覚えないんだけど?名前一筋なんだけど


「臨也のロリコン…」


ぼそっと名前が呟いた。わかってしまった。名前が怒ってる理由が


「…名前、やきもち妬いたの?」

「違うよ阿呆」

「そうですか」


後ろからぎゅっと抱き締めてやれば、名前は無言で擦り寄ってきた


「俺が愛してるの名前だけだよ」

「…知ってるし」


―不機嫌姫の機嫌の直し方

(ぎゅっと抱き締めて愛を囁きましょう。)

20120203

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