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真っ暗な校舎内。歩くだけで床がギシギシと音をたてる


「菜和、大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」


お兄ちゃんの手を握りながら奥へ、奥へと進む。辺りにはたくさんの妖の気配がただよう


「あ、おい。人いたぞ!…おーい!係りの奴が早く戻って来いって、よ…?」


中途半端に途切れた彼、辻さんの声に前を向けば、そこには…妖が、いた


「う、うわぁぁぁあ!!」

「うわぁっ!?」

「お兄ちゃんっ!」


驚いて倒れる辻さんに巻き込まれて倒れるお兄ちゃん。その後ろには運悪く階段があって

一瞬のお兄ちゃんの判断により離された手のお陰で私は階段から落ちずに済んだけれど、お兄ちゃんと辻さんは凄い音を立てて階段を落ちていった

…お兄ちゃんが、助けなきゃ!

そう思って、足を踏み出そうとした時だった

視界がふわりと霧のようなものに埋め尽くされて…、私はそのまま暗い意識の底に落ちていった―

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