第十六話・皆と挨拶、一人目・


姫若騒動も一件落着し話し合いは次の段階へと移動・・・の前に


「話しっぱなしも疲れるよね?どうせなら息抜きに船内でも回ってきてよ
色んな人たちがいるから楽しめると思うよ?」


というテュリの提案で一同は一時解散した





-バンエルティア内体験・マリカVer-

「よっす!アンタが若が言ってた友達か?」

辺りを見渡していると突然話しかけられたので振り返ると三人、こちらを見ていた
話しかけてきたのは真っ赤な服を着た人のようだ
茶色の髪がツンツンと逆立っていて、まだあどけなさを残す顔は笑顔で彩られている
マリカはお行儀良く彼らに対して頭を下げた


「初めましてまして!わたしはマリカ!「ファテシア」号で船長補佐をやってます!」

「マリカかぁ〜俺はロイド・アーヴィング!仲良くしてくれよな!」

「うん!よろしく!」


「マリカ、だね!私はコレット・ブルーネル、自己紹介しあったからこれで私達お友達だね!」

ロイドの隣でのほほんとした雰囲気を出して微笑みかけてくるコレット
白地に蒼のラインが入った法衣のような服に腰まで延びた金髪がよく似合っていた

残る一人は肩にかかる長い銀髪を持ち、青地に白い紋様が入った服を着たマリカより年下の少年
彼は「やれやれ」といった具合に首を振ると、一歩遅れて自己紹介をしてきた

「僕はジーニアス・セイジ、これからどの程度会えるか分からないけど・・・まぁ、仲良くしてよ」

「変な自己紹介だな〜ジーニアス〜」

「別にいいじゃないか、僕の勝手でしょ」


「私達ね、幼馴染みなんだ」

「へーそうなんだー!」

コレットの補足にマリカはほうほうと頷く
確かに見れば三人共仲が良さそうだ
年の差は有りそうだが仲は良いに越したことはない

そんな三人と会話をしていると、ふと視界に桃色の髪が入ってきた

それに気づいたコレットが彼女を呼ぶ


「お〜い、プレセアも一緒にお話ししようよ〜」

すると桃色の髪の少女が顔をこちらに向けてきた
感情が希薄なのか表情が浮かんでいない顔、黒い服を着ていて年は多分ジーニアスと同じくらいだろう

そんな少女はコレットに呼ばれるがままに近寄ってきた

「初めまして!マリカです!」

「・・・私は・・・プレセア・コンバティールと申します・・・」


「「・・・・・・」」


会話が続かない

「あぁえっとね!プレセアちょっと口数が少ないんだ!寡黙っていうか、クールっていうか」

何故か焦りだしたジーニアスが必死で彼女の代弁を始めた
いきなりどうしたんだろう?


「・・・私はいつもこうなので・・・余り気にしないでください」

「うぅ?うん!わかったよ!よろしくねプレセア!」


マリカが笑顔で対応したのを見てジーニアスがほっと胸を撫で下ろす

「ん?どうしたんだよジーニアス?変な汗かいてるぞ?」

「ななななんでもないよっ!ロイドの馬鹿!」

「・・・ジーニアス?」

顔を真っ赤にしてあたふたと慌てるジーニアスを見てコレットは小さく微笑んだ



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