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発育★測定・後編・


「あれ?ミナカが最初じゃなかったっけ?それにフィリアは?」

「そういえば二人以外誰もいないね?」

「んー?私ならもう測っちゃったよ?」

「「へ?」」

グラニデ組の声が重なる
その反応にどうかしたの?と小首を傾げるミナカ

「えと・・・ミナカは誰に測ってもらったの?」

「ふ?れっくんだよ」

「貴様!死に晒せ変態!!」

「うわっと!いきなり剣を投げつけんじゃねぇ!てかどっから出した!」

「うっさい!黙れ変態!」

ミナカのカミングアウトでキルが殺戮モードに入ったらしくどこからか双剣を取り出しレクを威嚇しだした
そんなキルを「本気でヤバイ」と感じたテュリが慌てて羽交い締めにする

「離せ!ボクは世界のいたいけな乙女達の平穏な未来のためにこやつを成敗しなければならないんだ!」

「乙女って言ってもレクのあれはミナカ限定だからね?!落ち着こう!とりあえず一旦落ち着こう!」

早口にそう言って必死にキルを抑え込むテュリ
ミナカは訳がわからず二人を交互に見ているし、レクはさっきキルが投げた剣が壁に突き刺さったのでそれを抜こうとしていて、結局テュリが自力でキルを静めた


「むぅ・・・一発プスッって刺せたら気が済んだのにー」

「お前の場合絶対プスッじゃなくでドズッだろう」

「自覚してるなら喋るな変態」

「えと・・・じゃあレク途中みたいだから測っちゃおうか」

「おうともよ」

「んー、テュリ〜これどうやって使うの?」

そう言ったミナカが手に持つのは巻き尺

「ミナカさっき測ったんでしょ?それと同じようにさ・・・」
「え?だってれっくんぎゅってして測ってくれたよ?」

「・・・ぎゅっ?」

「フッ」

身体測定となんら関係の無い擬音に不安が過る中レクが不敵な笑みをこぼす

「説明しよう!このレク、姉様に抱かれつ抱きつを繰り返す内に感覚でBWHを一寸の狂いもなく測れるようになってしまったのだ!」

「絶対誇って言えることじゃないよそれ!何感覚で・・・ってあぁ!?キル駄目だよ!剣を抜かないで!!」

「殺すコロス、変態なんぞ千々に切り裂いて抹殺してやる・・・!くたばれ!!」

「んなー?別に色気がないけど男でも抱きつけばスリーサイズ測れるよん?
てな訳で試すかいテュリ君?」

「嫌な絵図になることが容易に想像できるので断固遠慮します!!」

「でもれっくん測るのすっごく早いよね」

「yes姉様、2秒で終わるぜ?速測・確実・超安心」

「早さなんて誰も求めてな「だあぁぁぁぁっ!!今死ねぇ!直ぐ死ねぇ!ジェノサイd」キルダメぇぇ!!それ君の技じゃないぃぃぃっ!」

「えーんミナカーキルが怖いー」

「あ゛あああぁぁぁっ!!どさくさに紛れてミナカに抱きつくなあぁ!」

再びレクを双剣で追いかけるキル、逃げながら挑発行動を繰り返すレク
立ち尽くすテュリ

二人は忘れていた
1ヶ月に数日、暴れてはならない時期があることを
そしてその時期が今であることを


ズドンッ!!

「「!?!」」

鈍い大音量、固まる室内

部屋の中央、光を受け淡く輝く地面に突き刺さった大剣
その柄を握るのは鬼神の如く仁王立ちの少年
その顔に笑みを浮かべながら、しかし瞳は決して笑っていない


「・・・キル?レク?」

「「ビクッ!」」

優しい少年のものとは思えない腹に響くテノール
呼ばれただけで金縛りにあったように硬直する二人
それに視線を送りつつテュリは外見上だけは穏やかな微笑みで声無く唇だけ動かした


『う ご い た ら』

『シメる』

「「ひぃ・・・!(ガクブル)」」


「・・・ねぇミナカ、ちょっと部屋を出てくれる」

「え?何で」

一人蚊帳の外かつ部屋中に満ちた威圧をものともせず、誰もが怯える気迫にけろっとしてるミナカに語りかけるテュリ

「二人がさ?ちょっと部屋を散らかしたから片付けるために測定が少し遅れますってジェイド達に言ってきて欲しいんだ」

「わかった!じゃあ行ってくるね!」

張り切って出口へ駆け出す少女

「待って姉様!弟を見捨てないで!」
「お願いミナカ!ボクを助けて」

「二人共(ガギッ!)」

「「・・・・・・!!(ぶるぶる)」」

悲痛な叫びは難なく止められ、その間にミナカは外に出ていってしまった

静寂に包まれた室内


「・・・さて、キルとレクとりあえずここに正座してもらえる」

そうして自分の二・三歩先の地面を指差した
成す術もなく二人は並んで座り込む

「それじゃあ・・・
始めるとしようか?」

本日最大の綺麗で残酷な笑顔に二人の叫びが同時に上がった




「・・・から遅れるんだって!」

「やれやれぇ、これは暫く医務室付近は閉鎖ですね」

「触らぬ神に・・・祟りなし、ですか・・・」




++++++
終わりました
最後オチが思い浮かばなかったのでテュリにキレていただきました

しかしコイツら世界救う気ないな

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