ライン

麻婆華麗味噌風味


皆大好き、マーボーカレー
辛さが熱いマーボーカレー

目の前の惨劇にシングは息を呑んだ


「さぁシング!食べてみて!」

「・・・・・・!」


マーボーカレー味噌風味



「こ・・・コハクさん?」

「すっごく美味しいんだよシング!大丈夫味は私が保証するんだから!」

『そりゃ味噌が大好きな君が味噌の入ってる食物を不味いなんて言う筈ないけどね!』


マーボーカレーは好きだ
どんな人間だって夢中になる夢の食べ物だ
だけど目の前のソレは形容し難い不穏さに包まれている
いつもなら辛さを感じさせる赤みを帯びたルゥが完全に茶一色
いつもならピリ辛い匂いが食欲を誘ってくるのに今漂うのは味噌の風味が混じった怪しい香り

物凄く命の危機を感じるよ?!



マーボーカレーだったものを凝視しながら固まっていると目を輝かしていたコハクの眉尻が徐々に下がっていった


「もしかして・・・シングもいらない?」

「いや、いらないってわけじゃあ・・・って「も」?もって事は他の誰かにも勧めたの・・・?」

「うん・・・
最初はリチアに・・・見られただけなんだけど凄く信じられないような顔されちゃった・・・」

『うん、まぁ無難な反応だよね』

「その後お兄ちゃんにあげたんだけど一口食べたら「クペッ!」って言って気を失っちゃって・・・」

『ヒスイ!君は愛する妹の為にその儚い命を散らせたんだね!』


「っでもでも!凄く美味しいんだよ!私が変って訳じゃなくて本当に美味しいんだもん!本当だよ・・・」

「コハク・・・」

とても悲しそうな顔をして落ち込むコハク
自分が良いと思う喜びを分かち合えない悲しみ
見ているだけでそんな気持ちがひしひしと伝わってきて自分まで悲しい気持ちになってきた

何をくよくよしてるんだシング・メテオライト!漢を見せろ!

意を決してスプーンを握りマーボーカレー(味噌風味)を一掬い、そして


「せいっ!」
パクっ
掛け声と共に一口

落ち込んでたコハクが期待半分不安半分の表情でシングに近づく

「・・・(モグモグ)」

「シング・・・?」

「・・・・・・」

「どう・・・?シング」

「・・・・・・い」

「え?」




「・・・結構、美味しい」


きょとんとしながら素直な感想を口にするシング
途端輝きを増すコハクの顔
嬉しくて堪らないと言いたげに両の手を握りしめている


「け・・・結構は余分だよシング!普通に美味しいんだから!」

「うん美味しい、いつものマーボーカレーと一味違う、なんだろう・・・マイルド感じで凄く新しいよコレ」

パクパクと食べ進めるシングと嬉しそうにそれを眺めるコハク
それはとても、仲睦まじい光景だった




「シングったらコハクに合わせて舌が変化しちゃったんでしょうね〜
ヒスイは未だにピクピクしてるのに」

「イネスも食べてみたら良いじゃん、それで真実が明かされるよ」

「あら?ベリルも一緒に食べてくれるんでしょ?」

「断固!遠慮するよ!」

「クンツァイト、ヒスイの容態は?」

「痛覚・聴覚共に正常な反応を示しています、命に別状はないでしょう」

「ご・・・ハぐぅ・・・」




ほのぼのと笑い合う二人の脇では仲間達が被害者を囲んでそんな会話をしていた





++++++
何かシンコハ欲しいと思って書いたすっげ突発物

テレビで辛いものに別角度の辛さを加えると美味しくなるってやってたよ、ヒスイ死んだけど←それが友人にうけたけど

シングなら本当にコハクの為体質変えれそうだ


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