設定説明会話
絵「はいはい、いきなり始まりました。この文は口下手なチホ野郎が“学園物男子校”の設定を友人に説明するために書かれました文章です。
進行は友人達に“男の子”と認定されだしている絵と、盛り上げ役に隣町の普通高校から三ヶ谷光太君でお送りしまーす」
光太「どうも･･･って素直に始めたいけどなぜ俺？！男子校の説明ならもう一人の主人公の陽さんでいいじゃん！」
絵「そうしたいとこだけど･･･あいつ喋らないからなぁ･･･それに光太だって喋りたいだろ？」
光太「そりゃあ･･･もう一月はほったらかしくらってますしね」
絵「いいじゃん。有賀や長谷川なんてお顔出しすらほぼない状況だし」
光太「テオはちょくちょく俺と絡んでますけどね･･･まぁとりあえず語りを始めましょうか」
絵「おっけーい。
まずはおれからでいいかな？」
光太「そりゃあ主人公ですし、トップバッターでなんの違和感もないですよ。
それじゃあ俺がプロフィールを言って、絵さんがそれに付け足す形式でいきます」
絵「ん、了解」
光太「では始めます。
まず、彼女は諸事情で男子校に通う渋澤絵さんです」
絵「むぅ･･･紹介されるのは結構恥ずかしいもんだな･･･」
光太「えっと･･･孤児院の出身なんですよね？」
絵「そうそう。両親はいなくて孤児院で生まれながらに育てられたんだ。貧乏な施設だったけど温かさはあるいいとこだよ。皆が家族なんだ。
おれが電話する相手のくーちゃんとさーちゃんも同じ院の出身で、二人はもう就職してるんだ」
光太「絵さんは勉強がもっとしたかったんですよね？」
絵「ん･･･負担かけちゃうのは分かってたけどどうしてもな･･･。
最初は諦めてたんだけど、今の学校の奨学金制度に全額負担してくれるのがあって、しかも寮もあって「これだっ！」って」
光太「ちなみに寮費は？」
絵「そっちも負担してもらえてるよ。その代わりの条件が“学年首席キープ”ってやつ。あと“周りに性別をばらさないこと”」
光太「そこなんですけど、陽さんはセーフだったんですか？」
絵「んー、あいつは口も固いし、おれの方も味方０でいるのは苦しいからって、信頼のおけるやつには教えてもいいことになってる。ただし責任がくっついちゃうけど」
光太「責任？」
絵「言いふらされて性別バレたらおれは即刻アウトだけど、その言った方も同等の処分が課せられるっていう責任」
光太「うへぇ(;´д｀)」
絵「まぁ陽はそんなことしないけどな。あと知ってるのはひーくんだけど、都合上彼についてはカット」
光太「んと･･･あとは生徒会で副生徒会長をしてるってとこですね。立候補を？」
絵「いや、うちの学校は生徒会長だけ立候補・選挙って形なんだ。あとの役員は会長と先生が話して決めるんだ」
光太「つまり絵さんは役員に選出されたわけですか」
絵「一応陽･･･生徒会長からは引き受けてくれるか？って聞かれたよ。断れば生徒会に入ってなかったんだよなぁ。ちょっと感慨深いかも」
光太「プロフィールはこんなとこですかね。
はい。それでは次の人は件の生徒会長でもある高内陽さん」
絵「あれでよく生徒会長やってるよな･･･まぁ、あいつ自身意外と人前で喋るのに抵抗はないし、仕事も結構真面目にやってるから適任だったのかなぁ？」
光太「今となっては、ですね。
さて、陽さんは生い立ちが大分複雑なんですよね？」
絵「そう。あいつの家は元々両親とお兄さん、陽の四人家族だったんだけど父親が行方不明で、お母さんは陽が小さい頃に亡くなったらしいな。
今は陽が叔母さん家に引き取られてる状態なんだ。まぁ折り合いが悪いし、寮にいるからあんまりそっちには帰ってないみたいだけど。
んで、陽のお兄さんの健さんはもう社会人でアパートに住んでるんだ。陽は土日は健さんと一緒にいるみたいだぞ」
光太「随分詳しいですね」
絵「全部陽が話してくれた内容だけどな？」
光太「仲が宜しいんですね(ニヤニヤ)」
絵「コラッ！ふざけると比奈ちゃんに言いつけるぞ！」
光太「ひぃぃ！それは勘弁･･･」
絵「全く･･･。
あと話すことと言ったら陽の額の傷かな。あいつおっきい傷跡が額にあって、それを髪の毛で隠してるんだ。」
光太「それで最初の頃って髪の毛もっさりしてたんですよね」
絵「そうそう。目に髪の毛が入るのも構わずな･･･ヘアピンあげたら気に入ったみたいで、今は毎日つけてくれてるけど」
光太「でも絵さんに怒られると外しますよね」
絵「･･･落ち込んでるのをアピールしてるらしい。その度毎回おれにつけてとねだってくるんだ。まるでお子様だよ」
光太「案外甘えたがりですよね陽さん」
絵「きっと家庭事情のせいかな･･･まぁ結構可愛いから満更嫌ではないんだけど･･･」
光太「コホンコホンッ！あー･･･僕は何も見ていない、頬を染めた絵さんなんて見てないぞ〜！」
＋＋＋
続く
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