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後談


「ジーニアス、今日は何処行ってたんだ?」

「先生が探してたぜ?」と帰ってきたところにロイドがそう話しかけてきた。
僕はなんと言おうかうーんと考えてから「変な服着た人とちょっと。」と答えた。


「変な服?ピエロか?」

「何でそうなるのさ・・・。見たことない服着た人だったんだよ。」

「・・・ジーニアス。それってまさか変t「お願いだからせめて変質者とかにしてよね。
それに服は怪しいけど別にそんな感じの人じゃなかったよ。」

「へぇジーニアスがそう言うなんて珍しいなぁ。どんな人だったんだ?」

「うーん・・・ちょっとね。」

「ん?ジーニアス?おいジーニアス?」


ロイドの問いかけを流すように姉さんがいるだろう部屋に歩き出す。


あの人―青年は変わっていた。
一見すれば綺麗な顔で涼やかな表情を浮かべてるからいかにも“大人”に見えたけど・・・僕は見つけていた。

僕の肩に乗った猫を見つめる彼の懐にネコじゃらしがあったのを。

あれが噂のMyネコじゃらし・・・。

いつか僕も持ちたいななんて思いながら見てない。見てないんだから。





「あ、コンウェイお帰りなさい。」

「散策楽しかった?」とルカくんが帰ってきたばかりのボクに話しかけてきた。

ボクはそんな彼に「ちょっと興味を引かれるものがあったよ。」と答えた。


「興味を?本屋にでも行ったの?」

「ボクの興味を引くものとしては合ってるけど今日のは違うよ。」

「じゃあ何?」

「そうだな・・・。ルカくんみたいに勉強が好きそうな子供にあったよ。」

「えと・・・。子供?」


答えが意外だったのか彼は首をかしげてこちらを見ている。
それに「そう、子供。」と念押ししたわけじゃないけど言っておいて今日の宿屋で割り当てられた自分の部屋に向かう。


あの少年はボクと歩いている間まるで野良猫みたいに警戒したままついてきた。
幼いけれど年齢以上に知的なその瞳をボクから外さなかったのには気づいていた。
けれど彼のお気に入りの場所に着いた時に顔を輝かせて彼と戯れている姿はやはり幼い子供だった。

相当好きなんだろう。こちらを気にしながらも彼を撫でたり肉球を触ったり、せわしなかった。

それとチラチラボクの服を見ていたのも気づいていたけれど気づかないフリをした。懐を気にしていたような気配も同様に。






きっと猫が大好きなんだろう。

もしもまた会えたら少し話をするのもいいかもしれない。






++++++
本当にどこかに落ちてませんかジーニアスとコンウェイ。

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