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◆レグリ(学パロ)
2012/07/29 23:22

「僕のすごいつりざおにつられてみない?」

キラーン。そう効果音が付きそうなドヤ顔と共にかっこいいポーズ(おそらくそのつもりである)をとってレッドはグリーンを見やる。
一方グリーンはというと興味なさそうにちらりとレッドを一瞥して「ついに頭イカれたのかおめでとう」と言ってつまらなそうに見ていた雑誌に目を落とした。時刻は4時過ぎ。放課後の教室内は誰もいない。

「ちょっ、ちょっとグリーン乗って来てよ寂しいじゃないか」

「いやだってお前が何したいかとかわかんねーし。なに?何なの告白のつもりなの下ネタじゃねーか」

「いやいやさすがに僕もこれを告白にするつもりはないからね?グリーンは一体僕を何だと思ってるのさ」

「レッド」

「確かにそうだけどそういう答えは求めてない!」

釈然としない顔をしているレッドを哀れに思ったのかグリーンは一つため息をついて雑誌を閉じた。「ねこのきもち」とでかでかと書かれた雑誌の表紙には3匹の子猫が印刷されておりつぶらな瞳でこちらを見つめている。

「しょうがないから聞いてやるけど、お前は何がしたかったわけ?」

「いや、その、この前ゴールドと話しててさ、下ネタでも爽やかに言い切れば下ネタじゃなく感じるんじゃないかって結論に至ったから試してみた」

「じゃあその結論は間違いだな、正直キモい。って言うか全然爽やかじゃなかったからそもそも間違ってんだよ。はいこの話終わりー」

「ちょっと待って爽やかじゃなかったとかいろいろ聞きたいことはあるけどとにかく爽やかじゃなかったならまだ結論出すのは早いよ!」

わあわあとわめきたてるレッドの方を心底めんどくさそうに見たグリーンは「じゃあどうしたら結論出るんだよ」と問う。はやくこのめんどくさい幼なじみをどうにか落ち着けて雑誌に集中したい。今回はグリーンの好きな子猫特集だからじっくり見たいのだ。
そんなグリーンの気持ちを知らないレッドは待ってましたとばかりに目を輝かす。

「グリーンが下ネタ告白して」

「はい却下」

「どうしてだよグリーン僕のこと好きならそれくらいしてよ!」

「それとこれとは別だバカ!誰が入ってくるかわかんねえ教室で言えるわけねえだろ女子が入って来たらどうすんだ」

「それはそのとき」

何でもないことのように言い切るレッドに頭が痛くなる。しかしレッドの様子を見るにこれはなかなか譲らないと感じる。時計を見ると部活や委員会のクラスメートはおそらくまだ帰ってこないであろう時間だった。仕方ない、一瞬の恥だ。しかも恥を晒すのは幼なじみのレッドが相手だ。それで時間が手にはいるなら安いものだ。ガリガリと頭をかいて立ち上がるとレッドが期待を込めた瞳で見つめてくる。

「俺のディグダに穴を掘られてみないか」

昨日テレビで見た俳優の真似をして腰に手を当て上から目線で言い切る。マンガであれば後ろに花を背負っていそうな堂々とした姿であった。その姿にレッドも「お、おお…」と感動の声をあげる。
しかしその瞬間、教室の前扉がガラララと音を立てた。ぎょっとしたレッドとグリーンは一斉にそちらを振り向く。

「あ、あのう…お取り込み中ごめんなさぁい…」

「べ、ベル…」

そこに立っていたのはクラスメートで美術部のベルだった。スモッグを着ているところを見るとどうやら忘れた画材を取りに来たらしい。

「あの、あたし誰にも言わないからっ!レッドくんとグリーンくんが教室でホモセックスしようとしてたことなんて誰にも言わないからっ!し、失礼しましたぁ」

「あっ、ちょっと待って…!!」

伸ばした手も虚しくベルはすごい勢いで扉を閉めた。パタパタと廊下を駆けていく音もする。恥ずかしいセリフを聞かれ、あらぬ勘違いをされたグリーンは完全に石化した。ベルが行ってしまっては訂正もできない。そんなグリーンの肩を叩いてレッドは苦笑いする。

「あー、なんていうか、ご愁傷様?」

「誰のせいだ誰のーーーーっ!」

放課後の教室内にボゴッという鈍い音が響き渡った。



END





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