輝きのその下で

13話 (15/25)


「姫鶴一文字…確か、上杉謙信が持っていたという太刀だよね。」
「ええ、女性に見えますがちゃんと男士ですよ。」


彼女…もとい姫鶴さんはうふふと微笑むとこんのすけが現れる。


「姫鶴一文字様が顕現なされましたか。お初にお目にかかります、私管狐のこんのすけと申します。」
「こんのすけさんですね。よろしくお願いします。」
「私はこんのすけと一緒に報告書をまとめているから、本丸の案内は清光に任せるね。」
「わかった。」


主に本丸の案内を任され姫鶴一文字を連れて鍛刀部屋から出て本丸を案内することにした。
まずは手入れ部屋や大広間。そこにいる刀剣男士にも挨拶をし最後に主のいる執務室へと向かった。


「あら、この子たち。」
「五虎退の子虎だよ。」
「ええ、知ってますよ。あの子も、謙信公のもとにいたのですから。」
「ああそっか。姫鶴さんも上杉謙信公のもとにいた太刀だったよね。」


子虎を抱き上げて改めて執務室へ向かう。またしても道中、残りの子虎を連れた五虎退がいた。
五虎退は姫鶴さんの顔を見て泣き出しそうな顔になる。


「ひ、姫鶴様…っ。」
「五虎退、お久しぶりですね。元気にしていましたか?」


抱いている子虎を五虎退に返しふんわりと頭を撫でる。
久しぶりの再会に歓喜したのか五虎退は姫鶴さんに抱き着いて涙を流していた。


「加州さん、あとは後々知っていくので大丈夫ですよ。」
「そう、じゃあ夕餉は半刻後だから。」
「わかりました。」


それだけ伝えて俺は主の部屋に戻って案内が終わったことを報告しに行った。
主を探してたどり着いたのは鍛刀部屋。またそこで表示された時間が
3:30:00と姫鶴一文字と顕現したときと同じ時間だった。


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