輝きのその下で

12話 (14/25)



初めて大阪城地下に挑んだ私たち。
かのうわさの博多藤四郎が顕現されたと聞いたときは、
現代での別件で挑むことができなかった。
けど今回は現代の別件もなく安心して挑むことができることに少し安心したものだ。
そして地下50階を到達し、ここで顕現された刀剣男士。[後藤藤四郎]がやってきた。


「結構この本丸にも来たものだね。」
「そうだね。まだこれからたくさんの刀剣が来るだろうし、俺も負けてられないな〜。」
「でも、清光は私にとって特別だよ。」
「主…。」
「よしっ!鍛刀しに行くぞ!」
「えっ」
「目指せ蛍丸、一期一振、厚藤四郎!」
「さっきの言葉は!?」


清光の頭をなでて一緒に鍛刀部屋に行く。
さっき言った鍛刀でできる刀剣たちを狙うべく、太刀の配分で資材を投資した。
そして表示された時間は、


「3:30:00…?」
「3:20:00じゃなくて?」
「審神者殿、加州清光殿!」
「こんのすけ。」


突然こんのすけが油揚げを口にくわえながら現れた。
加えている油揚げを食べ終わると慌てたように言い出した。


「これは今までない刀剣男士の気配がします!」
「新しい刀剣男士?」
「はい。現在の刀帳にない刀剣男士です。」
「なんでまた政府からの連絡はないよね。」
「そうなのですが、時折政府が公認した刀剣男士以外の刀剣が顕現されるといったことがありまして、」


こんのすけの話によると、政府が公認していない刀剣が顕現されるといったことが稀にあるらしい。
さすがに天下五剣は意志が固く、時満ちるまで姿を現さないが、刀剣を調べ1度は見たことのある名前の刀剣が姿を現すのだという。


「本当に稀なことなので、こういったことが起こった際は顕現させた本丸の審神者にデータ収集をして欲しいのです。」
「俺ら刀剣も気まぐれだからね。三日月とかの本霊の話を聞いて、気になったんじゃないかな?」
「加州清光様その通りでございます。未だ政府が公認の出していない刀剣は姿、性格が本丸ごとに違うと今までの中では出ておりますので、この話はこの本丸で収めてください。」


こんのすけからの説明も終わり、鍛刀完了まで他の実務をやることにした。


「ふむ、3:30:00か…、俺も聞いたことないな。」
「だろうね。」
「俺や江雪の鍛刀時間より長く、三日月より短いのか、そいつもとんだ驚きを主にやるとはな。」
「加州の言葉だと、手伝い札は使えぬのだな?」
「その通り。刀帳にない刀剣だから姿を作るのも一苦労なんじゃない?」




「さて、どんな刀剣男士が来るのやら。」


鍛刀の式神に渡された刀を手に取り姿を現すように念じる。
次に目を開いた時には、1人の女性………ではなく、刀剣男士が立っていた。


「姫鶴一文字と申します。ええ、女士ではありませんよ。」


その丁寧な口調と乱ちゃんとは少し違った大人らしい女性らしさを思わせるその刀剣男士は《姫鶴一文字》だった。


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