輝きのその下で

9話 (11/25)

ちなみに今は、その昨夜の鍛刀できた三日月さんの歓迎会の打ち合わせ中で、
この場に光忠さんもいる。


「演練で見る三日月さんはそのようなことしなさそうなのにね」
「そのあとは三日月の旦那は何もしなかったか?」


薬研君の言葉に私はうなづく。
光忠さんは宴に出す料理をメモしながら言った。


「左側に置いたとしても、いずれは信じてくれると僕は思うよ。別に三日月さんが来たからって浮かれているわけじゃないんでしょ?」


光忠さんの言ったことには間髪入れずに肯定した。
むしろ恐れ多いくらいで、この本丸に来てもらってもいいのかと思えるくらいだった。


「そういえば、じいさんが早速出陣したとき、重傷あたりで戻ってきたでしょ?」
「う、うん。」
「秘宝の里での部隊だったから一緒だったじゃん、そん時のじいさんは演練で見るほかの本丸のじいさんとは少し違っていたんだよね。」


加州君の言ったことに疑問を持ち、お茶を飲みつつ前にあった出陣での三日月さんの戦い方を思い出していた。


「変わった感じはないと思うけど…。」
「まあ合戦場から見ていないからわからないが、いったいどんな戦い方だったんだ。」
「そうだな〜、いつも見る演練でのじいさんって主に言われた通り、次々なぎ倒していくっていえばわかる?」
「うーん、そうだね。」
「でも、前に見たじいさんの戦い方は、戦うって言うより舞っているって言ったほうが分かりやすいかな。」
「舞っている…ね。」


いつもはディスプレイで見ているため、三日月さんの戦い方についてはまだまだ分からないことだらけだった。
加州君の言う[舞う]といった戦い方は間違っているわけではない。


「確かに三日月さんにはその戦い方のほうが似合っているよね。…見てみたいかも。」
「さ、宴に出す品は決まったし準備に取り掛かろう!」
「光忠さん、」
「主さんはみんなに会場の準備するように言ってくれるかい?」
「もうそんな時間なんだね、料理楽しみにしてるよ。」
「OK。」



宴の料理を楽しみにしながら大広間に向かって歩き出した。


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