完二
 

大学の授業も落ち着き、久しぶりに実家へ帰る事にした。やっぱり実家は楽だね。だって、家事は全て母親に任せれば私は何もせずにダラダラ出来るんだもん。でも、そんな私は母にとっては当然邪魔らしい。だから私は仕方がなく、地元の母校で文化祭をやっているみたいなので行く事にした。

数年振りの八高は特に変わっていなかった。私が通っていたころのまんまと言っても過言じゃない。まぁ、多少の汚れとかはあるけど……。

私はパンフレットをもらい、校舎内を回り始める。パンフレットの中で一番気になったのは、被服室での手芸作品の展示。一応、被服の大学を行ってる身からしたら、後輩の作品は見ておきたいしね。

被服室はとても可愛らしく飾られていた。これ男子入りにくいだろうな……そもそも、男子はあまり被服に興味なんてないか。そんな事を考えながら作品を見ていると、一つの作品に目が止まった。それは、着物などで使われる織物で作られたウサギの縫いぐるみ。縫製もしっかりしていて、商品としても売り出す事が出来ると思う。

私がその作品の前で立ち止まっていると、2人組の男子生徒が話しかけてきた。これはナンパか?なんて思ったけど違うらしい。話を聞くと、先輩のようだ。



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