鬼道2
「名前、結婚しよう」
『良いよ……って、ええ!?』
ちょ、ちょっと今の何!?
コンビニに行こう、みたいなノリは!
私、つい返事しちゃったじゃん。
「嫌なのか?」
「い、嫌なわけないじゃないですか。鬼道とは結婚したいな……って思ってたし」
そりゃあ、鬼道財閥のお坊っちゃまで、イタリアリーグのサッカー選手。
且つ、(メガネを外すと)顔もかっこいい。
そんなハイスペックな彼を逃がしたら、持ったいないにも程がある。
だからと言って、別に金銭目的で結婚したいと思っているわけではない。
私が結婚したいと思っていたのは、鬼道の事を愛していて、彼と幸せになりたいから。
「でもさ、急に何の前ぶりも無く言われたから、頭がこんがらがっちゃって……あんな生半可な返事をしちゃったんだよね」
鬼道ならもっとロマンチックな演出をしてくれるだろう、そう思っていたのは秘密だけど。
「そうか。急にに言ってしまってすまなかった。だが名前、お前がそう思っていてくれて、俺は嬉しい」
鬼道はそう言ったあと、私を抱き締めてくれた。
その鬼道はとても優しく、そして温かい……そう感じる。
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