昼飯食った後の五時間目の授業は、この上なくかったるい。しかも嫌いな教科で先生だったら、もう最悪。授業を受けたって、睡魔の所為で居る事自体が意味がないので、俺は保健室に直行した。
「駄目、ちゃんとした理由になってないじゃない」
「だから言っただろ。眠いから休ませてくれって」
「アンタ、それ今月で何回目?最初は、頭痛いだの言って仮病を装ってたから多めに見てあげたけど、今はそのまま直球。流石にここまできたら無理よ」
「ちっ……このクソババ」
「言っておくけど、あんたの部活の顧問の音無先生と私同い年だから。ちゃんと伝えとくわね」
いや、それは非常に困る。音無先生って怒るとあまり怖くねえけど、面倒臭いんだよな。あと絶対に久遠監督に伝わるわけだし、絶対に試合出してもらえない。下手したらセカンド落ちだ……。
「困るんでしょ?だったら、ほら。さっさと教室に戻った戻った」
「……ちょっと待てよ」
「……何?」
「保健室で煙草吸ってる名前には言われたくねえ」
そうだ、こいつも普通に考えて悪い事をしているんだ。しかも下手したら俺より悪い事を。だから名前先生は俺に怒れる立場ではない。
「別に良いのよ。この部屋は私の場所だし、病人は今ここに居ないんだから」
「いや、だからさっきから」
「はぁー……しょうがないわね。今回だけよ。次は久遠監督にも伝えるから」
「はーい」
俺はそそくさと、ベットへとダイブした。ベットは上下に浮き沈みして、スプリングが良い事が分かる。おまけに布団はふかふかしていて、睡魔にすげー襲われる。
けど俺は寝ようとはしなかった。だって、保健室に来た理由は最初に言った事だけじゃなくて、ほかにもあるから。それは、名前先生の事が見ているかとが出来る事だ。カーテン越しであるけど、ベットから見た名前先生は凄く魅力的に感じる。多分、煙草のおかげだな。だって普段はそんなの感じねえし。だから、煙草は大人の趣向品なんだなって改めて思う。
「倉間、私を見てる暇があったらさっさと寝なさい」
「見てねーよ!お前なんか」
fin.
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企画「
Amore!」様に提出
作品名:煙草を吸うあなたの仕草